東大寺「大仏お身拭い」 ~白装束がアクロバットに神業を見せる

東大寺の大仏様の一年分の埃を落とすお身拭い(おみぬぐい)がまもなく行われます。寺社の建物や仏像の大掃除のことであり、全国的にほとんどの寺社では年末に行われますが、東大寺では夏の盛りです。

たくさんの白装束の人が天井からぶら下がり、また下からよじ登って大仏様の全身を拭いていく光景は、サーカスを見ているようでもあります。お身拭いが終わった後はお顔や肌が輝いて見えます。とてもすがすがしい奈良の夏の風物詩です。

奈良の寺ではお身拭い、京都ほか全国の寺社では御煤払(おすすはらい)と呼ぶことが多くなっています。奈良では仏様を重視した呼び方、全国では建物全体を指した呼び方と言えます。

京都の東西本願寺では1,000枚ほどもあるお堂の畳敷きで、数百人の信者や僧が竹の棒で埃をたたき出し、巨大なうちわで外に出します。年末の風物詩としてとてもよく知られています。

東西本願寺は巨大な平面の掃除が圧巻ですが、東大寺は巨大な立体の掃除になるためとてもアクロバットです。120人ほどの僧や関係者が早朝から湯屋で身を清め、朝7:00から作業を開始します。下からよじ登っていく光景にはハラハラしますが、昔ながらの藁草履をはいているため、すべらないそうです。

見ていても慣れている方が多いようで、作業はとてもスムースです。天井から板のゴンドラでぶら下がっている人も、とび職のように手際よく作業をされています。頭の先では15mほどの高さがあるため、熟練者でないとできない神業です。

お身拭いが毎年行われるようになったのは1964(昭和39)年とまだ歴史は新しく、それまでは住職一代に一回(数年に一回)しか行われていませんでした。現在と異なり参道が砂利道だったこともあり、埃の量はかなり多かったようです。

今では参道が石畳になり、毎年開催となったため埃の量自体は減りましたが、埃に含まれる自動車の排ガスなどの化学物質を除去することで、金銅の腐食防止に効果があるようです。

お身拭いが終わり、お盆の8/15の夜には万灯供養会(まんとうくようえ)が行われます。先祖供養にたくさんの灯籠をお供えするもので、大仏殿の周辺は幻想的な姿に包まれます。

奈良の夏が終わりを告げる日となります。


8/15 万灯供養会の夜

こんなところがあるのです。
ここにしかない「美」があるのです。


世界の巨大宗教建築には共通の謎を解くカギがある

東大寺 「大仏さま お身拭い」
http://www.todaiji.or.jp/contents/function/08ominugui.html

開催日:毎年8月7日(日付で固定)
開催(拝観)受付時間:7:30~9:30頃(作業は7:00開始)
※拝観には大仏殿への入堂料が必要です。
※雨天中止の場合があります。
※スタート時間は当日の法要・神事の進行や天候に左右される場合があります。

東大寺
http://www.todaiji.or.jp/

原則休館日:なし
開館(拝観)受付時間:7:30~17:30(4-10月)

おすすめ交通機関:
近鉄奈良線「近鉄奈良」駅下車、東改札C出口から徒歩20分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:1時間20分
JR大阪駅→JR環状線→鶴橋駅→近鉄奈良線→近鉄奈良駅
【公式サイト】 アクセス案内
※この施設に駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、クルマでの訪問は非現実的です。

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