日本一の高層ビルにある大阪・あべのハルカス美術館で「太陽の塔」展が始まっています。太陽の塔は1970(昭和45)年に開催された大阪万博を象徴するとても有名なオブジェです。内部公開が今年2018年3月から久々に再開されたこともあり、作者である稀代の芸術家・岡本太郎と共にあらためて注目が集まっています。
展覧会では、構想から制作に至るまで岡本太郎が表現しようとしたものは何か、それらが万博会場でどのように表現されたのかを、実物や再現模型、当時の映像などで多感に体験することができます。
ほぼ半世紀前になりますが、生まれていなかった人が見ても決してレトロではなく、斬新に感じる表現も少なくないでしょう。日本が敗戦から立ち上がって猛進した高度経済成長の絶頂期の芸術表現を、それぞれの目線で体験してみてください。

ゲート前の恒例の写真撮影コーナー
太陽の塔は大阪万博終了後に、他のパビリオンと同様に取り壊される予定でしたが、反対運動が強く永久保存されることになった経緯があります。それだけ人々に愛されている芸術作品です。内部公開が長らく中断されていたのは、安全な公開に耐えるための対策に時間を要していたためです。
ご紹介する展覧会の作品の画像は、公式サイトで紹介されています。
展覧会では随所で、太陽の塔の「4つの顔」が展示されています。岡本は、現在・過去・未来と人間の根源を4つの顔に表現しました。最も有名な塔の頭部にある「黄金の顔」は未来を表します。
1977年から公開が始まった映画スター・ウォーズのC-3POが黄金の顔によく似ていると思えてなりません。未来なので明るい金色と、とても”べた”なのですが、目や鼻のデザインは鳥のようにも見え、これから大空にはばたいていくことを予感させます。
1992年に取り外された初代の「黄金の顔」が展示室に搬入されており、足場を組んで高い位置から鑑賞できるようになっています。直径10mを超す巨大なオブジェです。間近で見るとセルのような升目毎に黄金の輝きが変化する表情がとても印象的です。
現在は胴体中央の「太陽の顔」、過去は背面中央の「黒い太陽」です。太陽の塔の地下に展示されていましたが、万博終了以降に行方不明になったままの、人間の根源を現す「地底の太陽」は、保存用原型が展示されています。どこか中南米の古代文明を思わせるデザインが印象的です。

会場内の雰囲気
情熱的で炎が燃えたぎるように見える岡本独特の絵画作品も多数展示されています。原色を多用し熱帯雨林の幹のように太く自由奔放に動くように見せる表現の原点は、宇宙と大自然の原点である「太陽」なのだと私は感じました。
岡本は1960年代後半、太陽の塔の制作を行っていたころにメキシコにも滞在しており、メキシコ壁画運動の影響を受けたと考えられています。メキシコ壁画運動は1920-30年代にメキシコで隆盛し、民族の歴史や伝統を大画面の壁画やフレスコ画で大胆に表現するものです。岡本の情熱的な表現も、確かに共通点があります。
太陽の塔と並ぶ岡本の代表作で、水爆実験の悲惨さを表現した「明日の神話」は現在、東京の京王井の頭線とJRの渋谷駅の連絡通路に恒久設置されています。岡本の情熱が見事に表現された大作です。こちらもおすすめです。

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。
あべのハルカス美術館
「太陽の塔」展
【美術館による展覧会サイト】
【主催者による展覧会サイト】
主催:あべのハルカス美術館、岡本太郎記念現代芸術振興財団、NHK大阪放送局
会期:2018年9月15日(土)~11月4日(日)
原則休館日:9/18
入館(拝観)受付時間:10:00~17:30(火~金曜は~19:30)
※この展覧会は、非営利かつ私的使用目的のみ会場内の写真撮影が可能です。
※この展覧会は、今後の他会場への巡回はありません。
◆マナー教室◆
◇写真撮影の前に確認! 撮影可能か、立入禁止でないか、三脚や一脚が使えるか?
◇カメラのシャッター音は出ないように、特にスマホは注意!
◇カメラのフラッシュがたかれないように設定、光や熱が美術品を傷つけます!
◇室内を見学する場合、持ち物が無意識に壁や置物に触れ傷つけてしまいます。
手荷物は預ける、リュックは前に抱える、レンズの大きい一眼レフカメラは持ち込まない、など配慮しましょう。
◆おすすめ交通機関◆
JR・大阪メトロ「天王寺駅」、近鉄「大阪阿部野橋」駅、阪堺電車「天王寺駅前」駅下車
あべのハルカスB1Fシャトルエレベーター乗り場まで徒歩3分、エレベーターで16Fへ
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:20分
JR大阪駅(梅田駅)→大阪メトロ御堂筋線→天王寺駅
※この施設には駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。
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