宇治川・桜 ~平安貴族が愛した水辺の花見

宇治川で桜をめでる舟遊び

宇治は源氏物語の舞台としても知られるように、平安時代には貴族の別荘地でした。京都中心部から南に位置するため温暖なのです。宇治川が醸し出す水辺の風景は、今も遺る平等院鳳凰堂ととてもマッチしています。そんな古からの景勝地はいま、桜の名所として知られています。多くのお店で味わえる宇治茶を添えながら、和風文化の原点を感じさせる花見が楽しめます。

源氏物語の主人公・光源氏のモデルとされる源融(みなもとのとおる)は、平安時代初期の実在の貴族です。絶世のイケメンだったことが知られています。嵯峨にあった別荘の跡地に彼を偲んで建立された清涼寺に伝わる国宝・阿弥陀如来坐像は、その姿の生き写しだったと伝えられています。この阿弥陀様は、確かにとてもイケメンな貴公子に見えます。

【京都市観光公式サイトの画像】 清凉寺 木造阿弥陀如来両脇侍像

源融は宇治にも別荘を設けました。それが現在の平等院の前身です。平等院は宇多天皇、藤原道長と時の最高権力者に続けて愛され、藤原頼道が1052(永承7)年に寺院に改めました。

宇治は中世には上流階級の別荘地として最高の格付けでした。冬に寒く夏に暑い盆地の洛中とは異なり、常に温暖で水辺が楽しめたからです。室町時代には、栄西が宋からもたらした「茶」の産地ブランドとしての地位が確立します。江戸時代には毎年将軍家に献上され、全国に茶の製法を伝えていくことになります。


宇治川の中の島

このように宇治は、和風文化の原点とも言える場です。日本最古の橋のと言われる「宇治橋」から眺める宇治川の風景は、嵐山と並んで日本を代表する「風光明媚」です。宇治橋からは宇治川の中の島が間近に見えます。近年になって治水のための護岸工事にあたり、宇治川両岸や中の島に桜が植樹されました。古からの別荘地のイメージが醸し出す「風光明媚」に、桜はとてもマッチしています。


中の島の巨大なシダレザクラ

宇治川の桜の魅力は、自然の水辺との調和です。お城の堀のように人工的に作られた水辺でもなく、大都市の川ように高速道路の構造物が目に入ることもありません。自然の川と山と大きな空が作り出す借景が、桜と抜群のハーモニーを見せています。ここにしかないサクラの絶景です。


ぽかぽか陽気の水辺で桜を見るのはまさに至福のひと時

こんなところがあったのか。
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさん。


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宇治市観光協会
http://www.kyoto-uji-kankou.or.jp/