
金沢の冬の風物詩「雪吊」
金沢の兼六園は、四季折々の姿がとても美しい。中でも冬の姿は、雪国にあるがゆえに、現存する多くの大名庭園とは異なる趣のある表情を見せてくれる。兼六園は背の高い木に周囲を取り巻かれてはいない。とても開放的で、高台からの眺めも素晴らしい。個性を感じさせる日本トップクラスの名園だ。
兼六園は知名度でも日本トップクラスで、金沢を訪れた人はまず足を運ぶだろう。ミシュランガイドで三ツ星評価を受けていることから、近年は外国人観光客も非常に目立つ。北陸新幹線の開業で首都圏から行きやすくなったこともあり、四季を通じて多くの人が訪れる。
訪れる人は多いが、この庭園はとても開放的なので喧騒を感じない。回遊路がきめ細かく張り巡らされており、じっくり巡ると2時間以上はかかる。歩く距離が長い分、実に多様な庭の表情を楽しむことができる。写真を撮りすぎてしまうことはほぼ確実だ。スマホやデジカメの充電器を持参されることをおすすめする。

桂坂入口、金沢らしい趣にあふれる
兼六園の入口は七か所もある。どこからアプローチしても不自由はない。入園料の支払いにはほとんどのクレジットカード・電子マネーが使える。車いすもほとんどの入口・回遊路が利用できる。公式サイトの利用案内もとても分かりやすく、日英中韓の4か国語表示だ。観光客目線で作られている素晴らしいサイトである。
金沢城公園から橋を渡ったところにあるのが桂坂入口だ。金沢らしい静けさを感じさせる趣があって私は好きだ。その桂坂入口からほど近いところに「眺望台」がある。

眺望台から北陸新幹線が見える
兼六園は多くの大名庭園と異なり、高台にあるため眺望がよい。借景を興ざめさせる高層建築を隠す必要がなく、周囲を高い木に囲まれていない。そのため大きな空を存分に味わえて実に開放的だ。まさに兼六園にしかない魅力と言ってもよい。

霞ヶ池が写す圧巻の鏡面
眺望台の横にはとても大きい「霞ヶ池」が広がる。風のない日は池が見事な鏡面となり、逆さに映える木々がとても美しい。鏡面が大きいだけに、写し出す木々や建物の表情は豊か。観る者に大きなインパクトを与える。
池のほとりには枝ぶりが見事な「唐崎松」がある。この松に、雪の重みによる枝折れを防ぐためにほどこされる「雪吊(ゆきづり)」は背が高くて勇壮だ。青く澄んだ空にとても映える。
兼六園は、名君で知られる金沢藩4代藩主・前田綱紀(つなのり)により、1676(延宝4)年から造営された。1759(宝暦9)年の大火で焼失するが再興され、幕末にほぼ現在の姿となった。1871(明治4)年から一般公開され150年に渡って金沢市民に愛されている。桜・梅・紅葉も石川県随一の名所であり、いつ訪れてもその季節の表情が素晴らしい庭園だ。
冬に訪れると、冷たく澄んだ空気を通じて触れ合う、木々の色や雪化粧がやはり素晴らしい。まさに冬でしか味わえない。

冬ならではの金沢をぜひ
日本にも世界にも、唯一無二の「美」はたくさんある。ぜひ会いに行こう。
霞ヶ池の銀世界がジグソーに
兼六園
http://www.pref.ishikawa.jp/siro-niwa/kenrokuen/index.html
原則休館日:なし

