大阪・池田・逸翁美術館「東西数寄者」 ~小林と五島の友情が一堂に

阪急の小林一三(こばやしいちぞう)と東急の五島慶太(ごとうけいた)、東西を代表する私鉄グループの創業者二人によるコレクションの展覧会が、まずは阪急の逸翁美術館を会場に始まっています。

五島は、日本で私鉄のビジネスモデルを作り上げた小林に倣った経営者の一人で、数寄者(すきもの)同士としても親密な交流がありました。そんな二人の愛したコレクションが五島美術館との共同企画で一堂に会します。大阪展終了後は東京・五島美術館に巡回します。


逸翁美術館

五島が東急グループを築き上げることになったのは、小林の声掛けが大きく影響しています。田園調布などの住宅地開発のために渋沢栄一が立ち上げた会社の鉄道事業(現在の東急目黒線・多摩川線)の経営が芳しくなく、小林が一時サポートしていました。しかし小林が多忙なため、鉄道行政官僚を経て鉄道経営に関わり始めていた五島を招聘し、経営を任せたのです。

五島はその後、現在の東横線を全通させ、沿線に東京工大・慶應などの大学を誘致します。渋谷にターミナルデパート(現在の東急百貨店東横店)も開店させ、小林の手法に学んだ鉄道乗客の創造を押し進めました。

五島は小林の9歳年下で、結婚時に妻の実家の姓である五島を名乗るようになります。本姓は小林だったため、小林一三に不思議な縁を感じていたのかもしれません。

【五島美術館公式サイトの画像】 過去現在因果経 巻第四

小林の美術品収集は茶の湯がベースですが、五島は奈良の古写経の収集から始まりました。「絵因果経」は鎌倉時代の写本ですが、奈良時代の趣を見事に伝えています。益田孝(鈍翁)の旧蔵品です。

【五島美術館公式サイトの画像】 鼠志野茶碗 銘 峯紅葉

グレーの地肌に白く太い文様が目立つ鼠志野(ねずみしの)は、筒のように底が張った肉厚のボディに日本の茶人が好んだ”歪み”が表現されています。峯紅葉と名付けられているように、赤みの部分が絶妙なバランスで表現されているのが目を引きます。志野焼を代表する銘品です。

【公式サイトの画像】 豊臣秀吉画像、奥の細道画巻

秀吉の肖像の中で最も忠実に描かれているとされる作品です。他の数多の秀吉の肖像の手本になっています。加納永徳の子・光信らしく、おだやかに描かれています。

奥の細道を書写して挿絵を施した画巻は、旅情を誘う表現に与謝蕪村らしさが現れています。即興で描いた絵ハガキのように、とても温かみがあります。


五島美術館

小林は実業家としても数寄者としても、後輩である五島の蒐集熱にはかなわなくなったと感じていたようです。五島美術館は国宝「源氏物語絵巻」を所蔵するように、日本を代表するコレクションを有しています。多摩川やニコタマの高層ビル群を見下ろす緑豊かな台地にあります。ぜひ訪れてみてください。

五島美術館
【公式サイト】https://www.gotoh-museum.or.jp

こんなところがあります。
ここにしかない「美」があります。


昭和の名経営者50人の筆頭に選ばれたのは五島慶太

逸翁美術館
特別展 茶の湯交遊録Ⅲ
東西数寄者の審美眼 阪急・小林一三と東急・五島慶太のコレクション
【美術館による展覧会サイト】http://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/exhibition/1853/

主催:阪急文化財団、五島美術館
会期:2018年8月25日(土)~10月14日(日)
原則休館日:月曜日
入館(拝観)受付時間:10:00~16:30

※9/17までの前期展示、9/19以降の後期展示で一部展示作品が入れ替えされます。
※この展覧会は、2018年10月から東京・上野毛・五島美術館、に巡回します。

おすすめ交通機関:
阪急宝塚線「池田」駅下車、徒歩10分
JR大阪駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:35分
JR大阪駅(梅田駅)→阪急宝塚線→池田駅

【公式サイト】 アクセス案内

※この施設には駐車場はありません。
※現地付近のタクシー利用は事前予約をおすすめします。

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