日本の現代アート市場の中心は言うまでもなく東京であり、首都圏以外に”
見るべき”アートフェアはない。そんな風に思われがちなのは現実ですが、風
穴を開けるような”見るべき”価値のあるアートフェアが大阪で定着し
ています。ホテルの客室を展示ギャラリーに用いる「ART OSAKA」です。
-
ホテルの客室を会場とする現代アート作品の大規模展示・販売イベントとしては、お
そらく日本初 - 自宅の部屋のようなサイズの空間で作品を鑑賞できる、購入
後のイメージがわきやすい - 関西にとどまらず東京やアジアからの出展が多
いのも魅力的
東京のアートフェアは3月開催に集中していますが、
ART OSAKAは7月開催です。美術館の展覧会のように誰でも気軽に観ることができま
す。敷居の高さを感じることはありません。

26F受付の様子
(前回2018)
ART OSAKAは、USJの対岸にある大阪メトロ・大阪港駅近くの
「海岸通ギャラリー・CASO」で2002年から始まった「ART in CASO」がルーツです。
当時流行していた、ベイエリアの古い倉庫を活用する、現代アート作品の展示・販売
イベントでした。
2007年からは大阪駅近くの旧:堂島ホテルに会場を移し、
客室がギャラリーとして用いられるようになります。2011年からは現在の大阪駅直結
のホテルグランヴィア大阪に再度会場を改め、定着します。

出典ギャラリー
/アーティストは客室単位で割当
ホテルの客室が会場というのが何と言っ
ても最大の魅力です。最高級スイートルームのようなびっくりするようなクラスでも
なく、格安ビジネスホテルのような窮屈な部屋でもありません。いわゆる普通のワン
ルームマンションのような空間で、「この作品が自宅の部屋にあったら」というバー
チャルをイメージしやすくなっています。多くの部屋ではベッドも展示台として用い
られています。
美術館やギャラリーの展示室は、作品以外は一切存在しない
空間であるのが通常です。ベッドやテーブルといった調度品と調和させた趣で鑑賞で
きるのはホテルの客室ならではです。ギャラリー関係者やアーティスト自身が部屋に
いるため、近距離でコミュニケーションしやすい雰囲気も魅力です。
他の鑑
賞者が多いこともあり、ギャラリーのような敷居の高さもまったく感じさせません。
どんな作品があるかわからなくても「ますは入ってみよう」という勇気を充分に与え
てくれるシチュエーションがあります。

入ってみないと
わからない客室にはドキドキ
2019年も出展ブース数は70近くに達する見込
みで、見応えはたっぷりです。公式サイトで出展アーティストの作品が紹介されてお
り、アーティストの個性をつかむにはとても便利な機能です。注目したいアーティス
トや作品もたくさん目につきます。
「天動説」という
ネーミングが絶妙です。円筒形の焼き物の各所に穴があり、中心の星が見えるように
なっています。外淵にはアステカ文明を思わせる恒星、上淵には十二支を思わせるオ
ブジェが配されています。数百年以上前の作品と錯覚させるようなデザインが見事で
す。
写真からトレースしたような緻密な線描で、森を覆う枝と木の葉をモノトーンで表現
しています。漆黒ではなくわずかに緑色を含めているところが、観る者を深い森の中
に吸い込むように思わせます。琳派のようなドラスティックな構図です。
子熊には体毛が一切表現されて
いません。母体の中にいるように、全くけがれのないことを表現しているようです。
つぶらな瞳からは未来に向けた無限の可能性を感じることができます。
【フェ
ア公式サイトの画像】 野口琢郎「Landscape#46」
現在東京で話題の展
覧会の主役・クリムトを思わせるパッチワーク風のデザインです。40×30cmと
いうやや小ぶりのサイズが作品のテンポをとても高めています。
【フェ
ア公式サイトの画像】 ソエノカオル「untitled」
2019年の作品で、建
物に描かれたロゴのイメージから渋谷の大改造がモチーフでしょう。夕闇に浮かび上
がる建築中の高層ビルが美しく、ランドスケープが成長していく躍動感を見事に表現
しています。

ホテルの客
室を会場とする大規模アートフェアは2016年から東京でも始まっています。毎年3
月に汐留のパークホテル東京で行われる「ART in PARK HOTEL TOKYO」です。大阪と
見比べてみるのも楽しみになります。
【 ART in PARK HOTEL
TOKYO 2019 公式サイト】
こんなところがあります。
ここにしかな
い「空間」があります。
しっかりじっくり、
最新のアート作品と市場の実態を学べます
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<大阪市北区>
ART OSAKA 2019
【主催者によるイベント公
式サイト】
主催:(一社)日本現代美術振興協会
会場:ホテルグラ
ンヴィア大阪 26F
会期:2019年7月6日(土)~7月7日(日)
原則休館
日:会期中なし
入館(拝観)受付時間:11:00~19:00(7日~18:00)
※
このイベントは近年、毎年7月上旬に行われています。
※入場は有料です。
◆おすすめ交
通機関◆
JR「大阪」駅下車、中央改札口から徒歩1分
大阪メトロ「梅田
/東梅田/西梅田」駅下車、徒歩5分
阪急電車「梅田」駅下車、徒歩7分
阪神
電車「梅田」駅下車、徒歩3分
※この施設には駐車場はありません。
※渋滞/駐車場不
足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。
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